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我が子に触れることすらできない1週間【コロナ禍での入院体験記 Vol.3】

1回のみの場合もあれば、発熱のたびに繰り返すこともある“熱性けいれん”。

初めて熱性けいれんを起こした娘は、その翌日に入院となりました。

 

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不吉な日

1歳の娘が初めて熱性けいれんを起こし、入院した日は、なんと別れた元夫の誕生日でした。

そして3年前の同日、当時交際中だった元夫が発熱して入院

誕生日祝いで行った旅行先でのことだったので、入院期間中は24時間私が付き添い、看病しました。

 

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元夫の入院が決まった際、血液検査で異常が見られたのは若干の炎症反応のみ。1週間以上40度前後の高熱が続き、その間に何度もけいれんを起こしました。

高熱の原因は中耳炎と咽頭炎。今回の娘の症状と全く同じだったのです。

 

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何の偶然かはわかりませんが、症状だけでなく日にちまで全く同じなのがとても不吉で、気味が悪かったです。

私は幼少期から30歳になろうとしている今現在まで、一度も中耳炎や熱性けいれんを起こしたことはなかったため、おそらく元夫の体質が遺伝してしまったのだと思います。

もはや入院中の娘が不憫でたまらない私は、やり場のない怒りの矛先を元夫に向けていました。笑

 

結局娘は救急搬送されてから帰宅後、明け方に再度けいれんを起こしたので、「複合型の熱性けいれん(けいれん群発)」ということで、即日入院となりました。

 

コロナ禍での入院生活

4月初旬からずっと高熱が続いていたこと、一晩で2回けいれんを起こしてしまったことにより、入院となった娘。

コロナ禍での入院生活は想像以上に厳しいものでした。

 

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病棟にコロナをはじめとしたウイルスを持ち込まないようにするため、娘の入院先では完全看護を実施。

付き添い人は無しで、食事、入浴、おむつ交換などのお世話を全て看護師さんが行ってくれます。

 

小児科病棟はまだまだ抱っこが必要な幼い子どももたくさんいるので、防護服を着用しての抱っこ、他の子を看護したり抱っこしたりする際は、都度新しい防護服に着替える、ということを徹底しています。

 

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通常時の入院と大きく異なるのが、面会ができないこと。

ガラス越しに10分前後しか我が子の姿を見ることができず、どれだけ悲痛に泣いていても、我が子に直接触れることも、抱きしめることも叶いません




面会方法

病棟に到着後、インターホンで受付の方を呼び、看護師さんが患者を車椅子に乗せて連れてきてくれます。

 

 

面会者は病棟とガラス越しに繋がっている面会室(待合室のようなところ)に入り、室内にあるインターフォンを介して患者と会話をします。

壁越しではなくてガラス越しなので顔は見えますが、患者と接触することはできません

 

 

いずれの病棟も同様にこのような対応なので、いくら幼い子どもがいる小児科病棟であるとはいえ、当然のことながら融通は効きません。

看護師さんが診てくれるということは大変有り難く、また心強くもありますが、やはり一人で複数名の患者を診る必要があるため、どれだけ泣き喚いていても放置されるのは当然のこと。

 

娘は生まれてから1年と9ヶ月の間、一度も私と離れて生活をしたことがなく、ピッタリと横についていないと眠ることもできない子です。

自宅に帰れると思っていたのに、私に置いて帰られることに気づき、ベッドの柵に捕まって泣いている姿を見た時には胸が締め付けられる思いでした。

 

入院中の娘の様子

ガラス越しの面会だと、私の顔を見るなり大泣きの娘。私が泣くと余計に娘を不安にさせてしまうので、必死で涙を堪えました。

 

抱っこして、と点滴の刺さった腕を必死で伸ばして一生懸命アピールするのに、母である私はガラスの前で見ているだけで、何もしてやることができません

今までに感じたことがないほど悔しく、悲しい気持ちでいっぱいでした。

 

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私の娘のように面会時に泣いてしまい、余計につらくなってしまう子どもの場合、看護師さんが受付で面会者のスマホを預かり、病室での様子を撮影してくれます。

撮影時間は10秒未満から1分間程度と、その看護師さんによってまちまち。優しい看護師さんだと、いくつも動画を撮ってくださる方もいらっしゃいます。

 

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翌日からは、着替えを持っていった際に、看護師さんにスマホを託して娘の様子を動画で見る日々。

 

表情はこわばっており、たくさん泣いてパンパンに腫れた目元。クシで梳かしてもらえず、ぐちゃぐちゃの髪。

点滴が刺さったままの痛々しい手元。枯れてしまった弱々しい声。

動画に映る娘は、これまでに見たことがないほどボロボロの様子で、とても最後まで再生できませんでした。

 

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高熱に加えて食事や睡眠を十分に摂れておらず、日に日に衰弱していく様子。

結局入院中も抗生剤の点滴をずっと落としていただけで、長く続いた発熱の原因の詳細はわからないまま日にちだけが過ぎていきました。

 

入院前に問題のあったCRP定量(炎症反応を計測するもの)に関しては、点滴の効果もあって基準値まで低下。

しかし、熱はやはり37度台前半から下がることはなく、結局のところ2ヶ月近く続く熱の原因はわからず終い

せっかく治っていた咳や鼻水が再発した上に、今まで出たことのない蕁麻疹まで出ている状態で退院することになりました。

 

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群発性のけいれんさえ起こすことがなければ入院にはならなかったので、やはり事の発端となった『第一世代の抗ヒスタミン剤』を服用させたことに後悔が残ります。

今回の件で娘がけいれんを起こしやすい体質であることが判明したので、日頃から体調を崩すことのないよう、より一層気をつけていかないといけないなと自分を戒めるきっかけになりました。

 

本当に恐ろしく、もう二度と味わいたくない経験ではありますが、今後また熱性けいれんを起こしてしまった場合にはもう少し落ち着いて対応できるよう心がけていきたいと思います。




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