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コロナ禍を経て変化した不動産をとりまく状況

2023年1月〜3月にかけての引っ越し繁忙期を終え、4月に賃貸マンション・アパートの家賃や新築戸建て・中古マンションの価格動向を発表したアットホーム株式会社(以下、アットホーム)は、5月23日不動産市況に関するプレスセミナーを行いました。

アットホームってどんな会社?

アットホーム広報グループ グループ長補佐西嶋優理子(にしじまゆりこ)さんにアットホームについて教えていただきました。

アットホームは去年の12月に創業55周年を迎えた、全国に48事業所がある従業員数約1,700名の不動産情報サービスの会社です。よく不動産会社に間違えられますが、不動産仲介や管理業は行っていません。物件のオーナーが管理を依頼する不動産会社と、借主・買主である消費者へ仲介する不動産会社との間に入り、情報の共有を行っています。以前は消費者が不動産会社をまわり情報を集めていましたが、アットホームが不動産情報サービスというこれまでになかったビジネスモデルを構築し、不動産業界に定着させました。

アットホームは主に以下の3つの事業を展開しています。

1.不動産会社間における情報流通

物件を探す際に、図面のシートを手にしたことがある人は多いと思います。これらをファクトシートと呼び、アットホームが初めてこの図面をフォーマット化しました。また、現在は紙だけではなくATBB(アットビービー)というインターネットによる不動産業務総合支援サイトも提供しています。アットホームのサービスに加盟している不動産会社は全国で6万2000店以上にのぼり、国内の宅建事業者数の約半数となります。

2.消費者向け不動産情報

消費者向けのポータルサイトやアプリを運営するほか、国土交通省の採択を受け、全国版の空き家バンクを運営しています。国内の約3分の1にあたる691(2023年5月31日時点)の自治体が参画し、開設から5年で成約報告は8000件を突破しました。

3.不動産業務支援

アットホームのサービスに加盟している不動産会社に向けて、仲介や管理といった一連業務における不動産DXを推進し、物件の募集や確認、内見や契約といった業務をオンラインで行えるソリューションを提供しています。これらのオンライン化は、これまで契約にあたって店舗へ出向かなければならなかった消費者にとっても大きなメリットになります。また、アットホームに集まる物件情報や画像情報といったビッグデータを活用し、AIとかけ合わせたサービスの創出や業務の効率化を行っています。

コロナ前後で不動産業界を取り巻く環境はどう変化した?

コロナで郊外へ引っ越したり、コロナが落ち着いてきたのでまた都心に戻ってきたりと、ここ数年でライフスタイルが変化した方は多いのではないでしょうか?アットホームのグループ会社であるアットホームラボの執行役員でデータマーケティング部部長の磐前淳子(いわさきじゅんこ)さんに、コロナ前後における不動産仲介業の動向について教えていただきました。

景況感調査の実施

景況感調査とは、地域に根差して不動産仲介業に携わるアットホーム加盟店を対象に、全国 13 都道府県 14 エリアの居住用不動産流通市場の景気動向について、四半期ごとにアンケート調査を実施・公表するものです。都道府県知事免許を持ち 5 年を超えて仲介業に携わっている不動産店の主に経営者層を調査対象とし、前年並みを50とする業況DI*で数値化しました。この調査で、DI50を上回れば良い、下回れば悪いというように仲介現場のリアルを読み取ることができます。

*DI:景気動向指数 (diffusion index)

 最新の状況について

  • 賃貸

2023年1〜3月期の賃貸の業況DIは、首都圏・近畿圏ともに大幅上昇し、2014年の調査開始以来最高値となりました。首都圏では初めてDI=50を上回り、また、2023年3月の賃貸マンションの募集家賃は上昇傾向にあります。コロナ禍の2020年の4〜6月期には過去最低の業況となりましたが、そこから長い時間をかけてようやく回復しました。

こうした業況改善の要因は人の動きの回復にあります。行動制限のない繁忙期は3年ぶりとなり、大学生や留学生、社会人など 単身者の住まい探しが増えました。また、売買価格高騰の影響から、住宅の購入を見送り賃貸マンションに切り替えるファミリー層も多く、改善の一因となっています。

- アットホーム調べ

  • 売買

2023年1〜3月期の売買の業況DIは、首都圏・近畿圏ともに堅調さは維持していますが、小幅な動きにとどまりました。コロナ禍では、質の高い住環境を求める動きに低金利も追い風となり住宅購入の人気が高まり、業況もいち早く回復しました。しかし、物件価格の高騰によって平均的な収入層には購入意欲の低下が見られ、コロナが落ち着いてからは都心部から郊外への買い替え希望者が減ってきたという声も目立つようになりました。その一方で、富裕層や海外を含む投資家の購入意欲は高まっています。

- アットホーム調べ

詳細は「2023年1〜3月期 地場の不動産仲介業における景況感調査」のリリースをご覧ください。
今回のセミナーで、コロナ禍の影響が不動産業界に大きな影響を与えたことがよく分かりました。アットホームでは、このようにさまざまな調査を実施し、HP上で公開しています。

ぜひ、自分のライフスタイルにあった家選びの参考にしてみてくださいね!

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