出典:cucu.media
11月25日に書籍『読むだけで韓ドラヒロインに近づける 大人の韓国女優メイク』(主婦の友社)を出版した、ヘア&メイクアップアーティストの石川ユウキさんのインタビューをお届けします。
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◆『大人の韓国女優メイク』を出版することになった経緯を教えてください。
石川:出版社から依頼をいただいたのですが、最初は実感があまりなかったです。本になって実感した、というか。でも、今までこういった本がなかったので、いつかはこうなるのかなと4~5年前から想像はしていました。だから本の形になって嬉しいですし、今までなんでなかったのだろうって思いました。
◆韓国女優のメイクに注目したきっかけは?
石川:韓国ドラマの女優さんって、キレイですよね。日本の女優さんと韓国の女優さんの違いはなんだろうと分析し始めたのが最初です。
◆どんなドラマから韓国の女優に注目し始めたのですか?
石川:僕、パク・シネさんが好きで。パク・シネさんが出演しているドラマ「美男子ですね」(2009)や「オレのことスキでしょ」(2011)を見始めて、いったい何が違うんだろうって考えたんです。骨格なのか、アイメイクなのか、髪の毛なのか。僕、そんなにドラマに詳しいわけではなくて、好きなドラマを見る感じなのですが、パク・シネさんて日本人っぽいけど何が違うんだろう?って思ったんですよね。
◆日本人と似ている部分はどんなところでしょう?
石川:目が丸かったり。でもおでこは韓国人特有。パーツは日本人っぽくて、骨や輪郭のフォルムは韓国人っぽいと思います。5~6年前、オルチャンメイクが流行っていた時でも、パク・シネさんのドラマのメイクはだいたい薄くて、たれ目っぽい雰囲気が好きですね。
◆韓国ドラマや映画の中で、気になるメイクやヘアスタイルは?
石川:特に最近、ヘアが確立されてきた印象があります。「梨泰院クラス」を見たとき、韓国には韓国独自のファッションと、世界的な流行のおしゃれを取り入れている感じがします。これからを作っていくニューワールドのイメージというか、男の子もエッジのきいたヘアスタイルのイメージです。メイクもヘアも今の雰囲気が僕は好きですね。
◆韓国の女優やKpopアイドルは、前髪を作らずロングヘアが一般的です。日本女性がそのまま真似しても似合うものでしょうか?
石川:日本の女優さんも前髪を作らなくてロングが流行っていた時期があったんですけど、また流行ればいいのにと思います。ただ、日本人の場合、おでこの形が丸くないので前髪を作ってる人も多いと思います。
◆日本人と韓国女優メイクの違い、ポイントは?
石川:僕の感覚なんですが、近年になるにつれて、韓国人もやや日本寄りになってきて、逆に日本人は韓国のヘアメイクいいなって取り入れようとしているので、大きな違いがなくなってきていると思います。
◆融合されてくると、今後はどのようになっていくのでしょうか?
石川:日本人は「抜け」をポイントにしたり、韓国人は抜けつつもどこかハッキリしたところを出していくとか、各々ピックアップする部分は違っていても、でも着地点は一緒だと思います。
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◆大人気ドラマ「イカゲーム」は観られましたか?
石川:はい!(と言いながら、バッグの「イカゲーム」のアクセサリーを見せる)ちょうど一昨日買ったんです(笑)。タピオカ屋さんに置いてあって。「イカゲーム」は、キャラクターやポップさの世界観がちゃんと作られているところに魅了されるんだと思います。あと、周りからは「わかっていても」を見なよ!って言われています。
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◆ソン・ガンとハン・ソヒですね。メイクはナチュラルです。是非見てください!
石川:はい。僕はどちらかと言うと、ドラマが好きというよりも、ファッションやメイクを見たくてドラマを見る場合が多いですね。
◆石川さんがヘア&メイクアップを仕事にしたいと思ったきっかけは?
石川:元々絵を描くのが好きなんです。絵は平面で、美容師は立体です。それでメイクアップのほうが好きだなと24歳くらいに思いました。僕には向いているし、喜んでもらう機会も多いなって。
◆エスポア、too cool for schoolなど本の中で使用されていますが、好きな韓国コスメブランドは?
石川:その点では僕、ちょっとミーハーちっくなところがあって、「これいいよ!」って聞いて、確かにいい!ってなることが多いです。だから韓国コスメのメジャーブランドが好きです。今だと「CLIO」や「rom&nd」、アイシャドウは「dasique(デイジーク)」のパレットばっかり使っていますね。(*本誌p50参照)本当に色の配色もカワイイですし、パッケージのビジュアルもかわいいですよね。普通のリップだったら「DEAR DAHLIA(ディアダリア)」はカワイイ色が多いなって思います。瞬間瞬間でブームは変わりますが、「hince(ヒンス)」も好きです。「ETUDE」もやっぱりカワイイなって思います。低価格でもクオリティが高いので、大人の方が使ってもカワイイ色が多いですよね。それから最近CLIOからでた「A.BLACK(エイブラック)」の感じ、素晴らしいですね!なんなんだろうあの感じ(笑)。バランスがいいですね。
◆韓国コスメは今、クリーンビューティー、ヴィ―ガン認証が定番化してきています。ヴィ―ガンコスメに注目していますか?
石川:コスメショップの店員さんも言っていました。でも僕はまだ…素直に言うと、気にしなきゃいけないポイントだけど、今はどうしてもメイクアップの効率や仕上がりを意識してしまうので、今後どんどん発色とかも良くなっていくと、使っていくようになると思います。今後のメイクさんの当たり前になってくるかもしれませんね。
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◆冬の乾燥肌のお手入れ方法を教えてください。
石川:汗をかいて腸をあっためる!(笑)これが一番肌が乾燥しないですね。サウナやジムでもいいですし。腸をあっためると血液が循環するので、乾燥しにくくなります。
◆マスクをしていても映える目と眉のメイクのポイントを教えてください。
石川:もし僕が女性で、20分、目と眉のメイクに使えると言われたら、たぶん僕は眉に15分使います。眉毛があって、初めて目が際立つと思います。まず眉毛をしっかり描くこと。アイメイクは薄くても骨格がはっきりするので映えると思います。
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◆2022年、ヘアメイクのトレンド予想。
石川:トレンドを追いかけるよりは、なんとなく好きなものがリンクしてるのだな、って印象ですけど、来年はメンズのメイクをプロセス化していきたいです。男の子ももっと自由に、ファッションの一部としてメイクアップして欲しいなと思います。女性の場合、自分自身をブランディングする子が多いじゃないですか。自己プロデュースするようになったから、今後はメイクの1つ1つのクオリティをもっと上げるトレンドになっていけばいいですね。今はSNSに映えるメイクが多いけど、10年前にタイムスリップして、メイクのHOW TOを知って努力していって欲しいなと思います。
◆韓国女優メイクに憧れる日本の女性にメッセージを。
石川:韓国女優と日本女性のメイクは遠くないので、ちょっとしたメイクアップの仕方や美容の使い方で、憧れにすぐ近づけると思います。「自分なんて」とか、「素がキレイだからでしょ」じゃなくて、1カ所か2カ所だけでも努力していくと、それが掛け算になって自分の身になってくるので、まずは前向きに1つか2つを試して欲しいです。自分の固定概念を崩して、先入観じゃなく、レシピ通りにやってみて!
(photo&text:Kiyori Matsumoto)
石川ユウキ ヘア&メイクアップアーティスト
ヘアサロン勤務、アシスタントを経てヘア&メイクアップアーティストとして独立。現在Three PEACE所属。韓国メイクを日本人女性向けに落とし込んだ「ハニルメイク」の考案者として話題に。韓国文化、韓国コスメに精通。タレント、俳優、アーティストなどからの指名も多く、メンズヘアメイクの分野でも活躍している。i-VOCEにて「石川ユウキの『なりたい顔』にマネメイク!」を連載中。この連載ではメイクイラストも手がける。美的.comのYouTubeチャンネルにてメイクアップ動画の配信も。著書に『誰でも簡単に可愛くアイドル級メイク』『HANIL MAKE-UP BOOK ハニルメイクって知ってる?』がある。
Instagram ishikawayuki_hairmake
Three PEACE https://threepeace.co.jp/