法人カードのデメリットは以下の通りです。
法人カードを導入する際は自社にとって、メリットかデメリットどちらが大きいか分析する事が重要です。
この記事ではデメリットとメリットの比較も紹介するので、導入するべきか気になる方は確認してみてください。
さらに、この記事では以下のことが分かります。
法人カードのデメリット
法人カードは企業の経費管理や業務効率化に役立ちますが、いくつかのデメリットも存在します。
審査がある
法人カードを発行するには、カード会社による審査を通過する必要があります。
この審査は個人のクレジットカードよりも厳しいことが多いです。
審査では企業の業績や信用情報、事業継続年数などが詳細に確認されます。
特に設立間もない中小企業や個人事業主の方は、審査に通過できる可能性は低いといえるでしょう。
まずは審査基準が他社より緩やかな法人カードから検討することも一つの方法です。
追加カードの管理が大変
追加カードが増えるほど管理の手間も増加します。
誰がどのカードを持ち、いくらまで使えるのかといった利用ルールの設定や確認も必要です。
これらの問題を解決するには、法人カードと連携した経費管理システムの導入が効果的でしょう。
また、利用明細のデータ連携機能がある法人カードを選ぶことで、経理担当者の負担軽減にもつながります。
年会費がかかる
多くの法人カードでは年会費がかかるので、余分な支出が増える可能性があります。
中小企業や個人事業主にとって高額な年会費は無視できないコストになる場合があるので注意しましょう。
特に付帯サービスの充実した高機能な法人カードほど、年会費も高額になる傾向があります。
そのため、法人カードの導入検討時には、年会費に見合ったメリットがあるかを慎重に判断することを推奨します。
不正利用されるリスクがある
法人カードは個人カード以上に不正利用のリスクが高まります。
特に複数の社員が利用する場合、管理が行き届かないと私的利用や不正使用が発生するので注意しましょう。
一方、リアルタイムで利用状況を確認できるアプリやウェブサービスを提供している法人カードも増えています。
このような機能を活用することで、不正利用のリスクを大幅に低減する事が可能です。
年会費無料の法人カードは付帯サービスが少ない
年会費無料の法人カードは導入コストが抑えられる反面、付帯サービスや特典が少ない傾向にあります。
旅行保険やポイント還元率、空港ラウンジ利用などのサービスが制限されていることが多いです。
これらの付帯サービスが重要な場合は、年会費がかかる法人カードを選ぶ方がいい場合もあります。
導入時には自社のビジネスにおいて、どのような付帯サービスが必要かを明確にしてから選びましょう。
種類別の法人カードのデメリット
法人カードには大きく分けて「ビジネスカード」と「コーポレートカード」の2種類があります。
それぞれに特徴があり、企業規模や利用目的によって最適な選択肢が異なります。
ビジネスカードのデメリット
過去にクレジットカードの延滞などをしていると、審査に落ちたり限度額が少なくなってしまいます。
また、使い始めの利用限度額は50万円程度に設定されることが多く、大きな支出の際は不便に感じるでしょう。
ビジネスカードは個人事業主や中小企業向けに設計された法人カードです。
個人のクレジットカードに近い形態ですが、ビジネス利用に特化した機能が付加されています。
特に起業したばかりの方にとって、ビジネスカードの審査は代表者の過去のクレジットヒストリーが重要です。
コーポレートカードのデメリット
コーポレートカードは年会費が高額であったり、審査が厳格などといったデメリットがあるので注意しましょう。
コーポレートカードは中堅・大企業向けの本格的な法人カードです。
企業規模に応じた高額な利用限度額や、多数の追加カード発行など、ビジネスカードよりも充実した機能を持っています。
また、年の最低利用金額が設定されている場合もあるので、導入前によく検討してください。
法人カードメリットをデメリットと比較
法人カードには確かにデメリットがありますが、適切に活用すれば多くのメリットが受けられます。
経費の計算の手間を省くことができる
法人カードの最大のメリットの1つが、経費計算の効率です。
現金での支払いやスタッフによる立替精算と比較して、経費計算の手間を大幅に削減する事ができます。
特に利用明細のデータ連携機能を活用すれば、経理作業の自動化も可能です。
また、手間が省けるだけでなく、領収書の紛失などのリスクも減らす事が可能です。
一方で、法人カードを導入しても完全に手間がなくなるわけではありません。
利用明細の照合作業は必要ですし、カード会社のフォーマットと自社の経理システムに互換性がないケースもあります。
ただし、最近の法人カードは経費精算ソフトの連携機能が充実しており、人気の経費管理ツールと連携が可能です。
年会費は経費で落ちる
法人カードの年会費は、事業のために必要な経費として計上できます。
法人税の計算上、損金(経費)として認められるため、実質的な負担は軽減されるでしょう。
そのため、法人カードの年会費は、節税としても活用する事ができます。
ただし、年会費が経費として認められるためには、事業との関連性を説明できることが重要です。
付帯サービスや付帯保険がある
法人カードには、ビジネスをサポートする様々な付帯サービスや保険が付いています。
サービスはカードによって異なりますが、適切に活用すれば年会費以上のサービスが受けられる場合もあるでしょう。
特に出張が多い企業や、取引先との接待機会が多い場合に役立つサービスが充実しています。
主な付帯サービスの例は以下の通りです。
- 海外・国内旅行保険
- 空港ラウンジ無料利用
- レンタカー割引
- ホテル優待・予約サービス
- ショッピング保険
- ガソリン割引
- ビジネス向けコンシェルジュサービス
自社のビジネススタイルを分析し、どのような付帯サービスが活用できるかを考慮して、法人カードを選びましょう。
キャッシュフローで資金繰りに余裕がうまれる
法人カードでカードを切ると、支払いを延長できるので、キャッシュフロー改善に役立ちます。
現金支払いの場合は事前に資金を準備しておく必要があるため、資金繰りに余裕がうまれるでしょう。
通常、法人カードの支払いサイクルは1ヶ月単位で、利用月の翌月または翌々月に引き落としされます。
特に成長期の企業や季節変動の大きい事業では、この支払いの猶予期間が非常に有効的といえるでしょう。
クレジットカードやetcカードとしても利用できるので出張にも便利
法人カードは通常の機能に加えETCカードやクレジットカードとしても利用できるため、出張などにも便利です。
法人カードを作成しておくことで、出張や営業活動における様々な支払いを一元化できます。
複数のカードを持ち歩く必要がなく、管理も簡素化されるので便利になるでしょう。
出張時の法人カード活用メリットは以下の通りです。
- 交通費(電車、バス、タクシー、高速道路など)の支払い
- 宿泊費の支払いと予約保証
- 飲食費・接待費の精算
- ガソリン代の支払い
- 緊急時の経費支出
法人カードには旅行保険が付帯していることが多く、出張中の事故やトラブルに対するセーフティネットにもなります。
法人や中小企業に最適な法人カード
法人や中小企業が法人カードを選ぶ際は、規模やビジネス特性に合わせた選択が重要です。
アメックスビジネスゴールド
項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 33,000円(税込) |
追加カード年会費 | 16,500円(税込) |
ポイント還元率 | 0.5%〜1.0%(メンバーシップリワード) |
旅行保険 | 海外最大1億円(自動付帯) 国内最大5,000万円(利用付帯) |
空港ラウンジ | 国内・海外の主要空港ラウンジ無料利用可 |
経費管理機能 | オンライン明細、データダウンロード、 経費管理ツール連携 |
アメックスビジネスゴールドは、ステータスと実用性を兼ね備えた法人カードです。
年会費は33,000円(税込)と高めですが、その分だけ付帯サービスも他社より充実しているといえるでしょう。
アメックスビジネスゴールドの最大の強みは、「世界中で通用する信頼性」と「手厚いサポート体制」です。
海外での利用時も安心感があり、トラブル発生時のサポートも充実しています。
また、最短即日発行に対応しているため、急ぎで法人カードが必要な場合にも便利です。
JCB法人カード
項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 1,375円(税込)〜 |
追加カード年会費 | 1枚目無料、2枚目以降1,375円(税込) |
ポイント還元率 | 0.5%〜1.0%(Oki Dokiポイント) |
旅行保険 | 国内・海外旅行保険:最大3,000万円(利用付帯) |
経費管理機能 | Webサービス「MyJCB Business」で利用明細管理 |
JCB法人カードは、コストパフォーマンスに優れた国産ブランドの法人カードです。
年会費が比較的リーズナブルながら、必要十分な機能を備えています。
そのため、国内での利用が中心の中小企業に適しているといえるでしょう。
JCB法人カードの強みは「国内での高い加盟店シェア」と「日本企業向けのサービス設計」です。
国内のほぼすべての店舗で利用でき、日本語でのサポートも充実しています。
個人事業主に最適な法人カード
個人事業主が法人カードを選ぶ際は、審査のハードルや初期コストの低さが重要なポイントになります。
楽天ビジネスカード
項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 永年無料 |
追加カード | 最大9枚まで無料発行可能 |
ポイント還元率 | 通常1.0%(楽天市場では最大3.0%) |
ETCカード | 無料発行可能 |
海外旅行保険 | 最大2,000万円(利用付帯) |
経費管理機能 | オンライン明細、CSV形式ダウンロード |
楽天ビジネスカードは、年会費無料で導入コストを抑えたい個人事業主に最適な法人カードです。
ポイント還元率が高く、楽天のサービスを活用している事業者にとって特に魅力的な選択肢となります。
審査基準も比較的緩やかで、創業間もない個人事業主でも取得しやすいという特徴があります。
楽天ビジネスカードの最大の魅力は「コストゼロでの導入」と「高いポイント還元率」です。
事務用品や備品の購入を楽天市場で行うことで、効率的にポイントを貯めることができます。
三井住友カードビジネスオーナーズ
項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 初年度無料、2年目以降1,375円(税込) |
追加カード | 最大9枚まで無料発行可能 |
ポイント還元率 | 通常1.0%(楽天市場では最大3.0%) |
ETCカード | 無料発行可能 |
海外旅行保険 | 最大2,000万円(利用付帯) |
経費管理機能 | オンライン明細、CSV形式ダウンロード |
三井住友カードビジネスオーナーズは、個人事業主向けに特化した使いやすい法人カードです。
年会費が初年度無料(2年目以降1,375円)と手頃で、三井住友銀行との口座連携による便利な機能も備えています。
そのため、経費管理の効率化を図りたい個人事業主に適しています。
三井住友カードビジネスオーナーズの強みは「使いやすい経費管理機能」と「セキュリティ対策の充実」です。
Vpassアプリでは利用状況をリアルタイムに確認できるほか、利用可能店舗や限度額の細かな設定も可能です。
アメックスビジネスグリーン
項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 13,200円(税込) |
追加カード | 6,600円(税込)/枚 |
ポイント還元率 | 0.5%〜1.0%(メンバーシップリワード) |
旅行保険 | 海外最大5,000万円(利用付帯) |
経費管理 | オンライン明細、データダウンロード、 経費管理ツール連携 |
ビジネスサポート | カードプロテクション、24時間緊急サービス |
アメックスビジネスグリーンは、個人事業主に適した機能性の高い法人カードです。
年会費13,200円(税込)とやや高めですが、それに見合った充実したサービスを提供しています。
個人事業主でもコーポレートカード並みの付帯サービスやステータスが手に入る事が一番の魅了です。
また、アメックスビジネスグリーンの審査は、起業後すぐに申し込む事ができます。
大手会計ソフトとも連携が取れるので、これからビジネスを拡大したい方にはぴったりの1枚でしょう。
法人カードのデメリットに関してよくある質問
法人カードのデメリットとは何ですか?
法人カードの主なデメリットは、年会費がかかることと審査のハードルが高いことです。
また、追加カードの管理が煩雑になりやすく、不正利用のリスクも考慮する必要があります。
法人カードは個人事業主でも導入するべきですか?
個人事業主でも法人カードの導入は検討する価値があります。
プライベートと事業の支出を明確に分けられる点や、経費管理の効率化というメリットは大きいです。
法人カードのメリットとデメリットではどちらが大きいですか?
これは企業規模や業種、利用頻度によって異なります。
出張や経費支出が多い企業では、経費精算の効率化やポイント還元によるメリットが上回るケースが多いです。
導入前に自社の支出パターンを分析し、法人カードの活用方法を具体的にイメージしてみましょう。
まとめ
法人カードには審査や年会費といったデメリットがありますが、経費管理の効率化やキャッシュフロー改善などのメリットも大きいです。
企業規模や業種に応じて最適なカードは異なるため、自社のニーズに合った選択が重要です。
法人カードのデメリットを理解した上で導入を検討すれば、ビジネスの効率化に大いに貢献するでしょう。