花屋でコスモスの花を買おうと思っていた。

私は10月生まれで、子供の頃に住んでいた家の前にコスモス畑があったので、秋の花＝コスモスという認識がずっとあった。

当時の記憶だと、伸びっぱなしになったコスモス畑は小学校低学年くらいだったわたしよりもずっと背が高くて、毎年秋頃になると窓から眺めながら「今年もわたしのコスモスが咲いた」という気持ちでわくわくした。

東京に住んでから大きめの公園に行かないとなかなかコスモスの花を見る機会がなくなった。

青いリンドウの花を買う

コスモスの花は無かったので、青と紫のリンドウが混じった花を数本買った。最初に買おうとしたのはピンクのユリと青いリンドウが混ざっていて、なんとなく綺麗だと思ったサービスセットだった。店員のおじさんが買うときに花が終わりかけの部分を除いて、つぼみにかえてくれた。

わたしは家に飾る前に撮影しようと思っていたので「写真を撮るので花が開いているままでもらえますか」と言ったら、「はあ、写真ですか、お墓参り用のお花ですが」というようなことを言われたので、別の秋の花セットにしてもらった。

そういえば、私の家はお墓参りに行く習慣がなく、おじいちゃんのお墓がどこにあるか知らない。子供の頃に教えられなかったことは自分で知ろうとしなければいつになってもわからないままだ。

花の名前を知る

買ってきた何種類かの花にまえからずっと使ってみたかった花の名前がわかるアプリをかざすと、「リンドウ」「カーネーション」「マメグンバイナズナ」「シュッコンカスミソウ」という花の名前がぱっと出てきた。

ちなみにこのアプリは動物にかざしても似た形の花の名前が表示されるらしいので、犬や猫の後頭部などにもアプリをかざしてみたい。毛が長いタイプの動物にかざしたらどんな花の名前が出るだろう。

ちなみにリンドウとカーネーション以外の花はかざすと毎回違う名前が出るので、正解は不明。

リンドウの花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」

リンドウには「悲しんでいるあなたを愛する」という花言葉がある。深い青色にぴったりな素敵な花言葉だと思った。わたしは人よりすこし花が好きだけど、ベランダのどんどん花を枯らすくらいにはあんまり花のことを知らない。

それでも、ときどき気になる花言葉を調べたりするのは好きで、ずっとベランダに置いて毎年咲く花も花言葉が好きだから置いている。カーネーションはどうしても母の日のイメージが強く残り、秋がシーズンの花だとはじめて知る。花言葉だけじゃなくて色や姿を比べてみてやっぱりリンドウの花が好きだと思った。

紫のリンドウの花言葉は「満ちた自身」

色にかかわらずリンドウには「誠実」「正義」などの強いまっすぐな花言葉がある。花言葉は色別についていることがよくあり、紫のリンドウには「満ちた自信」「高貴」という強いまっすぐな花言葉がある。

わたしは一人暮らしを始めてからずっと、ちいさいベランダで植木鉢を育てているけど、なんとなく綺麗だと思った花などいろいろ買っては枯らしてしまった。ちゃんと水をあげているのに枯れてしまうので不思議に思っていたが、しばらくして花には多年草や一年草という種類があることを知った。

多年草は水をあげれば毎年咲いてくれる花。一年草は一定のシーズンしか咲かないため、花が終わった頃に手入れや種取りをして次の年も咲くように準備をする必要がある。あたりまえかもしれないが、花それぞれの特性や適した気温や日当たりがあって、とりあえず水をあげてれば綺麗な花を保てるわけではないのだ。

多年草と一緒に暮らす

一人暮らしで毎日朝ベランダに出てゆっくり水やりができない私にとって、多年草はとても一緒に暮らしやすい花だった。

リンドウは種類によって、多年草と一年草があるので、定期的に手入れや種取りができないわたしでもベランダで育てられるかもしれない。

花が生活の一部にあるとなんだか心に余裕ができるような気がする。咲いた花を眺めるたびに花言葉を反芻する。切り花のリンドウはいつまで花瓶で咲いてくれるだろうか。

Profile：モーリ
ライブフォトグラファー / WEBライター
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